多くの過程が必要なグッズ製作を、もっとスマート・クリエイティブに!!
2001年8月、グループ会社の社長であり私の父である恒川憲一は、あるクライアントから販促および展示用として、ダイキャストミニカーを製作してほしいという相談を受けました。
子どもの頃から熱心なミニカーコレクターだった恒川は、ミニカーに対し特別な思いを持っていましたが、ミニカーを製作することはまったく経験のない分野です。
しかし大切なクライアントの依頼であり、また何より彼自身が強い情熱を感じたため、この夢のある仕事を引き受けることになりました。それは数カ月間にわたる悪夢の始まりでもあったのです。。。
仕事を引き受けたのはよいものの、もともと広告やデザインという形のないものを扱っていた彼にとって、どのように製作を進めるか見当がつきません。彼はその手に見本品のミニカーを持ち東京の展示会に足を運び、海外業者の出展コーナーを藁にもすがる思いで歩き回りました。そこでようやく香港のある会社と出会い製作協力を依頼したのです。
安心したのもつかの間、その会社にとってもミニカーを製作した経験は多くなかったためなかなか思うようにいかず、クライアントから何度もお叱りを受ける始末。何度修正指示をしても改善しない試作品。やっと量産に入ったと思えば大量に発生する不良品。
それでもあきらめずに挑戦したことによって当初予定より大幅に時間はかかったものの、なんとか基準を満たす製品が完成し、注文数量すべてを納品することができました。出荷前には社員全員で検品をおこなったのですが、クライアントのご担当者も差し入れを持って現れ一緒に検品をおこなってくれました。
非常に苦しい経験ではありましたが、このミニカー製作をきっかけとして、数十種のオリジナルミニカーや、フィギュア、ぬいぐるみ、ソフトラバーなど多岐にわたるグッズの製作依頼をいただくようになりました。そして、より専門性を高めるため、2003年に設立されたのが株式会社ミニチュアファクトリーです。親会社である広告会社の企画力やデザイン力にモノ作りのノウハウが加わったハイブリッドカンパニーです。
私、恒川琢朗は、最初のミニカーの頃から、さまざまなモノづくりを担当してきました。父の志を引き継ぎ、グループ間のシナジー(相乗効果)を生かし、さらに国内外の取引先や工場とのネットワークを広げ、お客様に喜ばれる仕事を心がけたいと思っています。