昨日から東京で、TOC 全体最適のマネジメント理論 TOCサミットというセミナーに参加しています。
ミニカーやフィギュア等のグッズ製作においては納期を守るため、適切にプロジェクトマネジメントを行う必要があります。
プロジェクトマネジメントにおいてはTOC-CCPMの考え方が非常に優れています。詳しくはまた書きたいと思います。
日々勉強です。
Takuro
さて、前回、短納期実現のために(1)で、工場からあがってきた見本品は速やかにお客様に提示し、お客様の監修を正しく速やかに工場に指示をすると書きました。しかし、それでも実際の製作工程では予期せぬ遅れが出てきます。
根本的な理由のひとつは、私たちが製作するミニカーやフィギュア、ぬいぐるみ、ソフトラバー等は、ほとんどの場合、初めて作るものだからです。
こんなことを言うと、ミニカーやフィギュアの専門会社なら、もう慣れっこなんじゃないの?とお叱りを受けそうですね。確かに、ミニカーやフィギュアは数え切れないほどの種類、数量を作っています。
しかし一言でミニカーといっても、車種、サイズやスケール、求める仕様によって毎回異なるものとなり、その仕様特有の難しさがあったりします。
もちろん、そうはいっても同じミニカーなので、だいたいのパターン、流れは共通していますから、クォリティが同程度ならば全体の製作期間はだいたいはわかります。
しかし、製作途上で問題になるところは、その都度異なってくるのです。
ある時は湾曲した形状のサイドミラー、ある時は開閉するドアの閉まり具合、ある時は十数点のロゴを再現するデカールの精度のばらつき、、、
余談ですが、以前に手掛けたもの、中でも苦労したものを見ると、このミラーと窓ガラスに苦しめられたな~、などと思い出します。
さて、まとめると、似たようなプロジェクトでもモノが違えば、何らかの予期せぬ問題発生のリスクがあるということです。
それを未然に防ぐために、リスクに敏感に進めていかなければなりません。しかしそれでも防げないことはあります。その場合は試作品の上がりが遅れたりします。
ご依頼いただくお客様にとっては、私達よりもグッズ製作に関する経験が当然少ない場合が多いですから、このあたりのことを十分に説明をしないといけません。そうでないと、何で予定通り進んでないんだ!?と不安に思われてしまいます。
さて、初めて作る以上は予期せぬ問題発生は避けられない、、、とすると、それにどう対応するのが良いのでしょうか、、。
それについては、またあらためて書きたいと思います。
今日のテーマは、仕様が毎回異なることの特徴だけにしておきます。
同じミニカー、同じフィギュアだからと侮るなかれ。
すみません、自分たちへの戒めのようになってしまいました。
Takuro
PS.いよいよ水曜日から求人募集が開始になります。
昨日ちらっと、苦しいことは納期が迫ってきたときのせめぎ合いと書きました。
普段、ミニカーやフィギュアなどを製作している中で、
納期について気をつけていることはこんなことです。
1.工場からあがってきた原型や試作品はできるだけ速やかにお客様(クライアント)にご提示いたします。
2.お客様チェック後、修正内容はできるだけ速やかに工場に指示しています。
3.指示書は文字だけでなく写真や絵を用いて、誰が見てもわかるように作成しています。
4.指示が複雑で伝えにくい内容に関しては、社内で確認し合い、伝達ミスが起こらないように気をつけています。
お客様、弊社、工場、それぞれの流れを止めないように。
流れの中に間違った情報を流さないように。。。
注意を払っています。
日本では、あたりまえのように伝わると思っていても、
海外では、あたりまえではなかったりします。
日々勉強です。
他にもいろいろありますが、
また追って書きたいと思います。
Takuro
昨日に引き続き、中国出張レポートです。
ミニカー製造において非常に重要な工程である金型工場を視察しています。
中国出張レポート(4)で掲載した写真の金型を使って成型します。
成型したてのモノはこちら。
この時点では、ご覧のとおり、素材である亜鉛合金を流し込むライナーと本体が一体になってくっついています。
これらのバリを外して、研磨機にかけていきます。
金型設計においては、ライナー部分から素材がうまく流れていくように考慮して製作します。
さて、ミニカー金型工場の視察はこれで終了です。
次なる目的地へ向けて、車で移動します。
車中から撮影した深センでよく走っている耳付きのバスです。
可愛らしいですね。
建物全面を大きな数字が流れていくビル。
電話番号か何かでしょうか。
出ました。黄金のランボルギーニ。
ミニカーの場合、金や銀のメッキは電気を利用しますが、実車も同じなのでしょうか。
それにしても派手ですね~。
中国の人は金が好きですね。
Takuro
ミニカー製造工程、金型工場視察の続きです。
比較的削りやすい銅を使って、凸型を作ります。
巨大なスタンプ!?のようなイメージでしょうか。
火花を散らせながら、じわじわと削っていくのですが、
なかなか時間がかかります。
材質や計上にもよりますが、だいたい1パーツにつき、4-5時間でしょうか。
なかなか果てしない作業です。
ミニカーの場合、ボディの材質に亜鉛合金を使用します。
金型にも硬度の高い鉄鋼を使用し、さらに非常に高精度になりますから、
削るのは、相当な時間を要します。
ですから、パーツ数、ドア開閉の有無、その他諸条件によって変わりますが、
全体では50~60日くらいかかるのです。
たとえば、パーツ数。
ジャン。
ジャジャン。
ジャジャジャン。
実は、まだまだあります。。。
時間はかかりますが、数千個~数十万個のミニカーを量産するためには
ここでしっかりした金型を作っておかなければなりません。
なので慎重に作業を進めていきます。
なかなか壮大な感じになりました。
いかに中国の人件費が日本より格段に安くても、
これだけの鉄鋼を使用し、さらに高い技術を要するため、
やはりダイキャストの金型は高額になります。
こうしてできた金型を射出成型機にセットし、ボディやその他のパーツを成型していくことになります。
それにしても、これらの技術はもともとは日本のお家芸だったはずですが。。。少し悲しい気がしますね。
と言いつつも、海外の工場で作るしかないのですが。
その分、日本の多くの工場はより高精度、小ロットの受注にシフトしているのでしょう。
Takuro